選書

 

『チョコレートの手引き』、『わたしがいなかった街で』、『夏の入り口、模様の出口』、『雪と珊瑚と』、『白い花と鳥たちの祈り』…

 

本を借りてきました。ごそっと5冊。私は昔から一度選んだ本は途中で飽きることなく、図書館で借りた本は延長してでも読み切ることがほとんどでした。しかし、最近は本を読了するということができていません。なぜかと考えた時に、本当に面白そうだと思った本を選べていなかったことが理由だと気付きました。こちらに来てからというもの、身のまわりの変化が激しく、また、それに伴い気持ちの上下も激しかったため、生活の知恵を習得するべく実用書を読むことが多くなっていました。しかし、必要箇所を選んでそこだけ読み、満足した途端に読む意欲がなくなって、最初から最後まで読み切ることが少なくなっていました。

 

もちろん、目次から自分が知りたい項目を選び、必要な情報のみ読み取る、そんな読書の仕方も場合によっては必要です。そのような読み方で効率重視ができるようになったことも進歩と言えますが、最初から最後まで読みきり、内容を咀嚼し、余韻に浸る…そんな、面と向かって本の話をじっくり聴くような時間を久しぶりにとりたくなったのです。

 

だから、今回は帯や見返しの内容紹介、冒頭部分を読んで、本当に面白そうだと思えるもののみ選びました。その時重視したのは、まず自分の今の状況から考えて主人公に共感できるもの、例えば、新転地に引っ越すとか、なんとなく上手くいっていない日々を送っていたりとか。そして単に前から気になっていた作家の本だったり、好きな食べ物に関する内容だったり。

 

「5冊も、しかも全部ハードカバーの本で、所持して満足してるだけなんじゃないか、自分は」

 

こんなに借りても本当に読みきれるんかいな、という疑いの気持ちしかありませんが、今回借りた本は個性的なイラストが使用されていたり、落ち着いた色合いが印象的だったり、文字のみの意匠がとても美しかったり、どれも丁寧な装丁が施されています。そんな凛とした佇まいは私の読書欲を刺激してくれる、はず…!

 

返却カウンターへ訪れる時の気持ちはいかなるものか?「久しぶりに読んだ読んだ!気持ちいい!」か、はたまた「忙しさにかまけちゃって、5冊とかやっぱ無理だったわ〜」なのか。

 

私は私の読書ニーズを満たすことはできるのか?私の選書センスや、いかに?二週間後が楽しみです。